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平成19年9月に市内で活動する団体の皆様にご協力いただきました「市民活動支援についてのアンケート」の結果がまとまりました。
配布部数:1865部
回答団体数:663 回収率:35.5%
アンケート結果 [96KB pdfファイル]
アンケート結果(自由回答) [59KB pdfファイル]
アンケート用紙 [134KB pdfファイル]
平成19年度狛江市市民参加と市民協働に関する総合的評価
【第1章 市民参加と市民協働の総体的評価】
昨年度、平成20年3月の答申においては、平成18年度の評価を踏まえ、第4章において「市民参加と市民協働を活発にするために」と題し、次の4項目の指摘を行った。
1.簡便な参加・協働の機会を活発にし、参加・協働の裾野を広げる
2.市民・市民公益活動団体と行政の双方による自己評価の仕組みを導入する
3.市民参加や市民協働の効果・成果を広く市民・行政内部にフィードバックする
4.条例改正による市民参加・市民協働の提案制度導入の具体的展開
平成19年度の市民参加と市民協働の総体的評価としては、まずこの4項目の指摘に照らして検討した結果をとりまとめておく。
1.については、市民説明会、シンポジウムは増加傾向であるが、審議会等の会議の公表・公開については平成19年度は激減しており、検討すべき課題である。協働事業については大きな変化は見られないが、事業内容に関しては参加した市民の評価も高く、一層の定着が望まれる。また、財政的支援の「新しい風補助金」については、市民活動団体13団体から申し込みがあり、やや広がりがみられた。
2.については、「公募市民委員アンケート」を平成19年度の委員を対象に平成20年6月に実施し、委員募集の情報・応募のきっかけ・会議の回数・時間・報酬・中身等について審議した。また平成19年度に行った協働事業のうち10件について、行政・市民活動団体の双方による「市民協働事業評価アンケート」を平成20年9月に実施し、それぞれの実状について検討した。これらを通じて、より具体的内容に即した評価や課題の指摘をすることができた。
3.については、会議の公開、会議録の公表について、平成19年度は減少しており、行政から市民へ、特に行政内部へのフィードバックが十分に見受けられないなど、今後に課題を残している。
4.については、平成17年度答申に基づいて平成19年3月に条例が改正され、平成19年度より市民参加の手続きや市民協働の事業について市民側から提案できる制度がスタートした。これにより、平成19年度には2件の協働事業提案があり、平成19年9月には、そのうちの1件を採択する方針の答申をした。しかし市民参加に関する提案はなく、そのことをどう評価するかは今後の課題である。
以上4項目は市民参加と市民協働の推進に関する評価の実施についての、基本的な事項と考える。平成19年度は条例の改正によって提案制度が一歩を踏み出した年度である。今後、さらに進展することを望む。
【第2章 市民参加の評価】
1.平成19年度 市民参加の実施状況と評価(平成18年度および過去5年間との比較)
(1)市民参加についての全体的評価
狛江市で設置し、開催している審議会等(委員会・協議会)のうち、検討内容が基本条例5条に当てはまるもの、および自主的に市民参加手続きを行っている会議は、下記の通りである。
平成18年度 会議数36件 (公募市民委員を設置している審議会等 24件、67%)
平成19年度 会議数29件 (公募市民委員を設置している審議会等 23件、79%)
公募市民委員を設置している審議会等は、会議総数に対する割合で見ると、5年間では毎年増加している。公募市民委員がいない会議は、法律の規定や東京都からの委員の規定があるもの、各機関の連携・調整などといった委員選出に枠組みのあるものなどである。
公募市民委員の男女の割合は、男性の方が多いが、女性も年度ごとに増加している。公募市民委員の応募条件のうち年齢に関しては、「18歳以上」とするものが最も多い。次いで多い「20歳以上」は、年々減少してきている。平成19年度は、理由もなく年齢的な制限を設けていない審議会等が増えており、課題が残る。
応募条件の在住・在勤・在学については、「在住のみ」が最も多いが、年々減少しており「在住・在勤・在学」や「在住・在勤」の条件が増加してきている。すなわち、応募の幅が広がってきているわけで、周りの地域と連担した市域の立地条件を考えると、望ましい傾向と言える。
その他、「各審議会テーマに関心がある者」「平日昼間の会議に出席できる者」などの応募条件のある審議会等もあったが、後者については、このような条件が適切かどうかは再検討の必要があろう。
以上のことから、審議会等の公募市民委員の設置に関する評価としては、市民参加による審議会等のあり方が浸透してきており、現実に対応し変化をしながら望ましい方向に進んできているといえる。しかし、審議会の委員数に対して公募市民委員の割合が少なかったり、また公募市民委員の定数に満たない審議会等があり、そのことが会議に影響を及ぼすことも考えられ、改善すべき課題である。
次に審議会等の公開・公表についてである。会議の諮問事項の公表の件数は、年々順調に伸びてきていたが、平成19年度は急に減少している。また、会議の公開についてもこれまでは高い水準で増えてきたが、平成19年度は激減している。その内、会議の予定を公表していない審議会等も現れている。その他に、会議録の期間内の公表や委員名の公表をしていない審議会等が、平成19年度では増加しており、問題である。
審議会等の公開・公表については、平成19年度は特に減少しており、公開・公表の手続きに何らかの問題があり検討すべき課題である。
パブリックコメントについては、平成18年度の4件の案件に市民の意見が合計10人あったが、平成19年度では、案件2件に市民の意見が4人であった。今後は、意識してパブリックコメントを増やす必要がある。併せて、その方法について、より親しめるような工夫が必要である。
その他、市民参加の説明会やシンポジウムについては、少しずつ増加しており、良い傾向であるが、その公表や市政への反映については、課題もある。
(2)審議会等における公募市民委員の設置と市民参加
平成19年度の審議会等の数は平成18年度より7件減少して29件であるが、公募市民委員を設置している審議会等の数は平成18年度よりは1件減少の23件にとどまり、総数に対する設置の割合は平成18年度の67%から79%に増えた。過去5年間においても公募市民委員を設置している審議会等の割合は、増加傾向にある。公募市民委員を設置していない審議会等は、平成18年度の12件から平成19年度は6件に減少している。審議会等で公募市民委員がいない理由としては、「法律の規定に基づく」3件や、「関係機関との連絡・調整」及び「市民である利用団体からの選出」2件、「専門的・実務的な検討を行う」1件である。公募市民委員を設置していない審議会等は、年々減少しており、望ましい傾向である。
しかし、ひとつの審議会等の中で公募市民委員の人数が1~2名と少なかったり、定員枠はあるけれども補充されていないところがある。平成19年度は、公募市民委員を設置している審議会等は23件で、その中の9件が2名以下の公募市民委員となっている。それ以外に公募市民委員の枠が確定されていない審議会等も2件ある。公募市民委員が会議において活発な役割を果たすには、3名は必要と考えられ、公募市民委員の極端に少ない審議会等の場合には、審議に影響が出てくることも想定でき、今後の検討課題である。
公募市民委員の男女の割合については、男性の数が多いが、年度ごとに女性が2~4%増えており、平成19年度は男性が61%、女性が39%となっていて、望ましい傾向である。
公募市民委員を設置している審議会等は、平成19年度は平成18年度より1件少ない23件である。年齢条件は、過去5年間、全体的に募集年齢構成に幅が出てきており、「20歳以上」が減少して「18歳以上」が増加してきた。平成18年度からは「15歳以上」が1件加わるなど、年齢幅はさらに広がった。平成19年度は、「18歳以上」が最も多く9件、次いで「20歳以上」が6件である。また「制限なし」が4件と増加しており、このうちの3件は、制限を意図的にはずしたものではなく、年齢制限を考慮せずに募集を行ったものである。正常な運営には年齢に制限を加えることも必要になってくることもあるから、「制限なし」については、検討を要する。
公募市民委員の応募条件のうち、「在住」のみを条件とするところが最も多く、平成19年度は8件(35%)である。しかしこれは年々減少傾向にあり、代わって「在住・在勤・在学」が7件(30%)、「在住・在勤」が5件(22%)と増加してきている。公募市民委員の募集枠は拡大してきているといえる。
公募市民委員の応募条件に、「会議のテーマに関心のある者」「平日昼間の会議に出席できる者」など応募条件の付いている審議会等もある。市民が参加しやすい条件を提示することで、多くの市民の参加を促すことも重要である。
公募市民委員を設置する審議会等は増えてきており、また、公募市民委員の応募条件の枠も拡大しており、その点では望ましい方向で推移している。
(3)審議会等の公開・公表
審議会等で諮問事項が付してあるのは、過去5年間で平成18年度を除いて減少傾向にあり、平成15年度は64%であったものが、平成19年度は41%で最も少なくなっている。そのうち、諮問事項を公表している割合は、平成15年度から毎年4%ずつ増えて、平成18年度は70%にまで達した。しかし平成19年度は33%に急減しており、諮問事項があるのに公表をしていないのは大きな問題として指摘できる。諮問事項は、明快に市民に伝えられる必要がある。
また、会議の公開については、過去5年間88%以上であり、平成18年度は91%になった。しかし、平成19年度は19件で66%に急落している。更に「一部非公開」が平成18年度の0%から平成19年度は14%になり、非公開とする理由がない会議であるにもかかわらず「会議の予定を公表していない」審議会等も0%から14%に増えた。予定を公開していなければ傍聴者も来られないから、結果としては非公開となっているのである。一方「非公開」となっている会議は、個人情報の流出や会議内容の関係者が来た場合に、意見や答申が出しにくいという理由のある審議会等である。
会議録の「公表」については、平成15年度から高水準を維持し、増加傾向にあって平成18年度では97%にまで達した。しかし平成19年度は、公表が59%と激減した。非公表とする理由がないのに公表をしなかった審議会等も、平成19年度は9件の31%になった。
「非公表としている審議会等」には、個人情報が含まれている「狛江市情報公開審査会」「狛江市特別職報酬等審議会」などがある。
会議録の公表時期は、指針によって4週間以内となっている。「期限内に公表」のできた審議会等は、平成18年度では69%あったものが、平成19年度には35%になっており、過去5年間で最低であった。会議録の「期限内に公表」については、年度によって変動があるものの、概ね会議の約半数前後である。事務局で努力しても時間がかかるようであれば指針そのものの検討が必要であるが、たとえ各委員に記録の確認のために郵送をしたとしても、公表までに4週間以上かかるようでは問題ではないかと思われる。
委員名の公表については毎年増加し、平成18年度には97%にまでなった。しかし、平成19年度は55%に急落している。この理由の解明も必要である。
このように、審議会等の公開・公表については、今年度は特に低下が著しく、大きな問題である。改善を強く要望する。
(4)パブリックコメントへの市民の参加
平成18年度は4件のパブリックコメント(市民の意見公募)を実施し、意見の提出者のいない案件が1件あったが、他の3件には2~6人の市民の意見が寄せられた。平成19年度は、案件が2件に減少し、市民からは、「狛江市耐震改修促進改革案」に対して1人と「中学校給食実施案」に対して3人の意見提出があったのみである。4人からの応答では余りに寂しい。
パブリックコメントは、市民の意見を広く募集し市政に反映させようとするもので、市民が行政に意見を出せるチャンスである。今後はより多くの案件について実施するとともに、意見を出しやすくするなど、実施方法などについての工夫が必要である。
(5)その他の市民参加の手続き
市民説明会は、平成19年度は平成18年度と同じく3件で、シンポジウムやその他が1件ずつ増え、9件となっている。市民説明会やシンポジウムは、決定した事項の説明だけではなく、市民の意見を反映させようとする意見交換会としての役割が重要である。対話を積み重ねて、市民の市政への参加意識を高めることが大切である。
市民説明会やシンポジウム等の報告書については、「報告書有り」が件数では平成18年度より1件増えて6件であるが、「報告書無し」も1件増えて3件である。なお、「報告書無し」の3件のうち2件については、提出された意見の内容を広報で公表しているので特に問題はないが、できれば何らかの報告書はまとめておいてほしい。
報告書の公表については、前年度と同じ4件である。しかし平成18年度までは0件であった「公表なし」が、平成19年度では4件と全体の半数にもなり、報告書の非公表については問題が大きい。
以上のほか、条例で定める手続きではないが、「市長への手紙」が市民から多く寄せられ、市民の重要な市民参加を成しており、一層の拡充を望む。
2.公募市民委員から見た審議会等への参加―意識調査
今回、初めての試みとして、平成19年度の公募市民委員を対象に、郵送による「公募市民委員アンケート」を行い、会議参加に対する意識の調査を行った。アンケートの送付総数は77件で、回答は53件、回答率は69%であった。その結果は以下の通りである。
(1)公募市民委員への応募の契機
公募市民委員の募集を知ったのは、「広報こまえ」が53%と最も多く、次いで口コミであり、インターネットは意外と利用されていない。応募のきっかけは、「狛江市に貢献したい」や「審議内容に興味がある」、「自分の経験を生かす」など、自分との関連から応募しているものが多い。
(2)会議の開催日数・時間および会議参加に対する報酬
会議の開催日数は、「現在が適当」と答えた人が63%であり、「少ない」と答えた人は平均6回が適当と答えている。会議の時間も83%が「現在が適当」と答えており、「長い」と感じている人は2時間が適当としている。報酬は「無くてもよい」と「妥当」がだいたい同数で多い。
(3)会議への満足度
「充実していた」と答えた委員は48%で、「あまり充実していなかった」と答えた委員は31%であった。また、「まとめた答申内容について満足できた」と答えた委員は60%で、「あまり満足できなかった」は13%であった。その他の項目を含めて、自由記述の中から特にどのような点が評価されたかを整理すると、下記のとおりである。
① 会議の内容に具体的な目標があり、取組む課題が明確であった。
② 審議の進め方について、事務局から事案整理や資料が準備されていたり、事前に送っ
てくれた。前もって知ることができ、調べることもできた。また、会議の資料や説明
もよく、委員の質問・疑問に対し、適切に答えが得られた等、事務局の努力が、委員
に充実感を与えた。
③ 委員の専門的な指摘は難しいとしても、市民が力をつける上で欠くことのできない場
であること、委員になって市政のことが分かってきたこと、自分の意見が審議に取り
入れられたこと、委員の経験や実績が活かされたなど、市民委員が必要感や充実感を
持つことができた。
総括的に述べると公募市民委員は、一定以上の満足を得ているといえる。公募市民委員の活動が一層効果を高めるよう、事務局の活躍を期待する。
3.市民参加による審議会等の課題と進め方―提案
以下では、審議会等への市民参加の在りかたを、1.で述べた現在の実施状況および2.で述べた公募市民委員へのアンケート調査結果をもとに検討し、今後改善の必要な事項について提案する。
(1)公募市民委員の公募について
① 公募市民委員の人数
各審議会等の公募市民委員の人数が1~2名と少ない場合には、有識者等との対等な立場での話ができにくいなど、会議運営上の影響が考えられる。また、定員枠があっても充足されていないこと等の課題もある。審議会等において公募市民委員が実質的にその意見を反映させるには、3名以上が必要と考えられる。昨年度も指摘していることであるが、なぜこのようになっているのかについて調べ、応募枠やその充足の在り方について、改善をすべきである。
② 公募市民委員の年齢制限
市が主催する審議会等は、市民の代わりに出席する会議であり、ある程度の知識や判断力が持てる年齢が適当である。公募市民委員の公募においては、その審議内容に 応じて適切と考えられる年齢の制限を設けるべきである。
(2)会議の公開・公表について
平成19年度は、審議会等の会議の公開や会議内容の公表、及び市民説明会やシンポジウム等の報告など、市民への伝達に大きな問題があることが分かった。なぜ公開や公表が低下したか想定できることとしては、以下の点が指摘できる。
① 条例を制定した当初は公開・公表の徹底を図ったが、その習慣が薄らいできたのではないか。
② 委員名の公表は、第1回目の会議録に委員名を記載して提出することになっているが、
その習慣がなくなり、怠っているのではないか。
③ 担当職員によっては、議事録(記録)をとることに慣れていなかったり、テープ起こしが大変であったり、不慣れがあったからではないか。
④ 5年経過し、担当者の入れ替わり時期に来きたなど、人的要因があったのではないか。
⑤ 担当者の入れ替わりの場合、引き継ぎが細かいところまでできていなかったのではないか。
⑥ 平成15・16年度は職員向けの説明会を実施したが、その後行っておらず、そのことが職員の意識を低下させたのではないか。
各審議会等の「公開・公表」については、過去4年間は増加傾向であった。しかし、平成19年度においては激減している。また、「会議録の公表時期」については、これまでも毎年度、通年達成度は良いとはいえない。良かった平成18年度でも69%であり、平成19年度は35%で過去最低である。会議録の公表期限は、指針によって4週間以内となっているが、この期限に問題があるのか、上記に想定した問題があるのか、それ以外に問題があるのか、他の「公開・公表」も含めて十分に検討し、この課題に対応する方策を立てて職員向けの説明会を開くなど、徹底するよう要望する。
これらの公開・公表に関することも含め、審議会等の持ち方については、職員向けの研修も、幹部職員も含めて毎年実施すべきである。
(3)公募市民委員から見た審議会等の課題
① 会議の開催日数や時間配分
審議する時間が足りないという意見がある。年に2回の開催の会議もあり、これでは不消化に終わるであろう。また、議論が感情に走ったり、審議すべき対象と異なる質疑に時間が割かれることがあったともいう。議長は責任者や事務局と十分打ち合わせ、会議内容に対する時間配分や会議の進め方を考えておくことが必要である。
② 事務局の事前の準備
当日配布の資料では理解に時間がかかり、具体的な審議になりにくいとの指摘もある。審議する資料を事前に送付することが必要である。また、説明を分かりやすく工夫したり、質問に充分答えられるよう努力を要する審議会等も散見するので、改善を期待する。
③ 市民の考えを得る会議
会議内容が報告や説明のみで、市民委員が問題を提起し、意見を聞き出す方向に進むことなく、討議らしさのない審議会等がある。市民が意見を述べ合うことを重視した会議運営に心がけるべきである。
④ 公募市民委員が少ない審議会等は、できるだけ公募市民委員を増やすことが大切であり、実質3名以上の公募市民委員が参加できるようにすべきである。対等な立場でものが言えると、不満や問題が発生しないはずである。
⑤ 公募市民委員として満足感がなかったり、あまり発言のできなかった委員がいる。会議の望ましい雰囲気を作り、発言の機会を与える等、会議の進行に「市民参加」を意識し、行政の壁は厚いと思われないよう、専門的な知識をもたなくても発言できる会議の持ち方を工夫すべきである。
⑥ 審議会等の答申が、諮問した行政側でどのように反映されたか、フィードバックすべきである。そのことで、委員が確信を持ち、今後ともより多くの市民が狛江市のために参加・協力するようになると考えられる。
⑦ 担当職員向けの公募市民委員に関する審議会の運営マニュアル、例えば「公募市
民委員の枠を確保する」、「説明は分かりやすい言葉で」などを作成し、研修の機会などに周知すべきである。そのことで、公募市民委員を含めた審議会等の運営水準が上がっていくと思われる。
この調査を実施したことにより、公募市民委員の現状を知ることができ、更に改善をする貴重な資料になった。今後もテーマを選びつつ、実態がつかめる調査を行っていく事を望む。
【第3章 市民協働の評価】
1.平成19年度の市民協働の実施状況と評価
(1)市民協働についての全体的評価
狛江市で平成19年度に行われた市民協働事業について、「財政的支援」「参入の機会提供」「共催・後援」「意見交換・情報交換」の4分野に分けて、市民協働概要調査を政策室において行った。また、調査結果の審議の中で、市民協働事業の分野について概念の整理を行い、「財政的支援」を「補助金」等により、市が市民公益活動団体に対して資金援助を行う事業」とし、「参入の機会提供」を、「市と団体が委託契約や協定等を交わし、協力して実施する事業(協定等による報償としての交付金事業を含む)」とし、事業の再整理を行った。
市民協働事業の総数は、平成18年度と比較して、数の変化がなかった「参入の機会提供」を除き、「財政的支援」、「共催・後援」、「意見交換・情報交換」の分野でそれぞれ1件ずつ、全体で3件微減しているが、全体としては大きい変化はみられない。
「参入の機会提供」については、事業件数としては、「委託事業」で新規事業が3件増加し「協定事業」と「その他事業」では変化が見られなかったが、参入団体数としては、事業の移行等により2団体が減少し、新規事業により3団体が増加した。分野別の事業件数と支出額も「まちづくり」「学術・文化・芸術・スポーツ」の分野で、件数・金額ともに大きい割合を占めている状況は変わらない。
「財政的支援」では、上記の概念整理により、交付金の事業件数は5件減り、その分、補助金の事業件数が増加した。また、事業変更や事業分野の整理、新規の事業の開始に伴い、事業件数や実施団体数などは内訳としてかなり変化しているものの、総数としては、事業件数が1件減少、交付団体数が1件増加となっている。
事業分野ごとの交付額としては、個別の件数や交付額に変動はあるものの、「保健・医療・福祉」分野が、全体の8割を占めている状況は変わらない。
「共催・後援」では、平成18年度に前年度比で45件と大幅に増加したものの、平成19年度は、事業件数で1件の減少、事業団体数で15団体の増加にとどまっている。
「意見交換・情報交換」では、事業数は1件減少したが、内容に変化は見られなかった。
以上、市民協働事業の全体的な評価としては、前年度比較では大きい変化は見られないが、平成15年度からの5年間での変化に視点を置くと、どの領域も事業件数と実施団体は増加しており、市民協働の実施は様々な領域で拡がっていると考えられる。ただし平成18年度より、事業の統合や再編成が進み、それに伴う領域間での事業の移動が増えており、単純な数的な変化による評価が難しくなっている。
平成19年度には、市民参加手続き並びに市民協働事業の提案制度の取り組みが開始され、後者の提案制度については2団体から申し込みがあり、審議の結果、「狛江地域ねこの会」と「健康支援課」との協働事業が決定された。
この提案事業の拡がりは、行政における事業再編成への市民サイドからの大きい働きかけとも言える側面を併せ持っており、今後の事業の進展が期待される。
(2)市民協働事業の充実と定着について
全体的な事業の件数に関しては、ほぼ横ばいの状況であるが、事業内容に視点を移すと、「参入の機会提供」においては、「青少年育成委員会合同事業業務委託」の委員が主体的に事業運営できた点や「NPO情報誌作成委託」の誌面が充実してきていること、新規事業として実施された「音楽の街・狛江推進事業委託」や「絵手紙発祥の地推進事業委託」などについて事業に参加した市民側からの評価の高いことなど、内容に関しては評価できる点が増えてきている。
また、「財政的支援」の「新しい風補助金」については、幅広い領域の市民活動団体13団体からの申し込みがあったが、継続事業が多く、新規事業の申し込みは少ない状況であった点が今後の課題と思われる。
2.平成19年度の市民協働における課題
(1)公金支出の手法の整理と評価について
平成19年度の財政的支援の評価については、平成18年度に「交付金事業」としたものを、協働事業の分野について、概念・定義を整理することで、「補助金」の項目に入れることとした。交付金の多くは団体の維持運営に関する費用であり、より実態に即した分類が行えたと考えられる。
しかし個々の事業の開始時期の状況などにより、協定事業でありながら補助金交付要綱により助成金を交付している事業や、補助金事業と思われる事業で協定書等を取り交わさずに交付金を交付してきた事業なども、まだ見受けられる。今後はこのような歴史的な経緯を総ざらいし、事業内容に即した公金支出全体に関する合理的な基準に基づいて、支出項目の抜本的な再整理、を行うことが必要である。
(2)主要な特定の事業についての評価について
年々実施形態や領域を変更し実施される事業が増えていることから、個別の事業については分かりにくい点が増え始めている。該当年度における市民協働に関する個別事業のすべてを審議会で評価することはできないものの、従来の分野ごとの件数・団体数・事業額などを中心にした総合評価に合わせ、事業規模が大きく、活動分野での金額比率の多い事業に関しては、行政と市民活動団体の双方に個別ヒアリング等を実施し、より事業内容を精査し、どのような実施形態がその事業に相応しいかを含めて評価していく必要がある。
3.市民協働評価アンケートの実施について
(1)アンケートの概要
市民活動団体と行政が、より対等な関係を構築しながら、互いの協働していく能力を向上させるためには、協働事業実施後に相互に評価を行う必要がある。
今回、試行的なモデル実施として、「市民協働事業評価アンケート」を行った。10の部署における10の事業について、あらかじめ市民活動団体と行政の担当者が同じアンケートに回答し、それぞれのアンケートを持ち寄って報告しあう場を設定して意見交換を行い、その要点を整理してもらった。アンケートは、事業実施前、事業実施中、事業実施後、事業全体の4項目について10の質問を設定し、それぞれに「大変良くできた」「良くできた」「良くできなかった」「まったくできなかった」の4段階で評価を行った。
このような評価については、双方にアンケートを実施するだけではなく、市民活動団体と行政の担当者が、その評価結果について同一のテーブルで意見交換を行い、問題点や課題点について検証を進めていくことが、協働事業をより良く改善していくことに繋がっていくことと思われる。
このような市民活動団体と行政の意見交換の場は、本来、市民協働の場面だけに限定されることではなく、広く恒常的に行政活動に必要なことであると考えられるが、このアンケート実施を通して、市民活動団体と行政の協働関係がより深まり、関係者全体により良い効果を及ぼしていくことを期待したい。
(2)評価アンケートの結果と今後の課題
10の質問について、全体的に協働事業として概ね良くできた事業や、認識の違いはあれ問題なく実施された事業もあったが、行政側と団体側の意見が大きく分れたり、多くの質問で「良くできなかった」、「まったくできなかった」という回答のある事業も見られた。
問題のある事業については、今後きちんと情報交換や、意見交換を行うことで改善すべきであるが、中には協働事業としての構造的な問題があるのではないかと思われるものもあり、それらについては来年度以降の事業実施について、協働調整担当を交えて見直しや改善の方向付けが必要である。
なお、このような評価アンケートは、今後も実施していくべきである、本来ならすべての協働事業において行うことが望ましいが、業務上の負担が過剰になるようであれば、継続年数の長いものや金額の多いものなどから優先的に取り上げるなどして、実施していくことも考えられる。
【第4章 市民参加と市民協働の推進における今後の課題】
1.2つの事後評価アンケートの試み
平成19年度の市民参加と市民協働の評価については、平成18年度答申の提言を受け、それぞれについて事後評価の試みを行った。市民参加に関しては、「公募市民委員アンケート」を、市民協働に関しては「市民協働事業評価アンケート」を実施した。このことを通じ、これまでの事業一覧やその集計に基づく総体的な評価だけでなく、個別の実施内容に踏み込んだ評価を行い、内容に即した課題について言及できるようになった。
これら2つのアンケート調査の内容については第2、3章で紹介し、そこから見えてくる課題を整理しているが、ここではそれらを基に、さらに今後の課題について要点を記しておきたい。
2.公募市民委員アンケートにみる今後の課題
アンケートを通じ、公募市民委員の意欲的・積極的な姿勢をみることができ、参加した市民委員も一定の意見を述べることができ、満足度もかなり高いことが分かった。事務局の準備や対応も、多くの審議会等ではよくなされているようである。しかし、会議によっては、資料の準備や審議の進め方において必ずしも満足のいくものではないことも確認できた。今後は、すべての会議において十分な対応がなされ、市民委員にとって満足のいく議論が進められることを期待したい。
なお、アンケートには出てこないが、現状としては、特に理由がなくて公募市民委員のいない審議会等があったり、公募市民委員は設置されていても十分な応募がなくて市民的な視点が反映されにくいと思われるものもある。また審議内容の公表についての課題も多い。それぞれの審議会等で固有の条件もあると思うが、できるだけ多くの市民が参加でき、自由で満足のいく審議ができるよう、さらなる工夫と努力を期待したい。
以上の期待に応えるためにも、今回のアンケート結果を反映させ、公募市民委員への対応を明確にしたマニュアル(手引書)を作成し、それを用いて担当職員の研修を行うことを勧めたい。そのような努力を通じ、「市民にとって魅力的な会議」が育つことを願っている。
3.市民協働事業評価アンケートに見る今後の課題
市民サイドと行政サイドの双方が自己評価し、その結果を持ち寄って意見交換をするという今回の協働型事業評価手法は、客観的に問題点を発見し、今後の改善や見直しを考えるには効果的な手法といえる。またこのような手法は、市民サイドと行政サイドの対話の機会としても、大きな意味を持つ。今回は初めての試行であったが、双方の回答者が真摯に取り組んでくれたことは高く評価したい。
この評価によって、協働事業として今後改善すべき点や、協働事業としては構造的に問題があるのではないかと思われるものがあることが確認できた。これらの点については、政策室において担当課や市民活動団体と相談しながら実態をより明らかにし、改善あるいは改革を進めていただきたい。また長年継続してきた事業や多額の公金支出を伴う事業については、このようなアンケートとともに、審議会で双方からヒアリングを行って課題を検討していくことも必要であろう。
このようなフォローアップやヒアリングも含め、この評価手法が狛江市政における一つのルールとして定着し、「市政における対話の文化」が育つことを願っている。
4.より良い市民参加と市民協働の実現のために
以上、今回は2つのアンケート調査によって、これまでよりも具体的な評価を行い、課題を整理してきたが、このような個別の評価作業は、他の市民参加手法や協働事業にも広げ、今後さらに続けていってほしい。そして課題がみつかれば、審議会における評価結果を待つまでもなく、政策室において迅速にそれぞれの担当部署にフィードバックし、必要なら詳細な調査を行うなど対応していくことが望まれる。より良い市民参加と市民協働の実現のためには、このような対応の日常化が必要である。
そのためにも、まず本答申の趣旨が行政内部において十分に理解され、「日々の業務の市民化」に向けた一層の努力へと繋がることを期待したい。